新年を迎える仏壇掃除とお供え物の基本

お正月前に仏壇を清掃し、仏花やお供えを整えてご先祖様に感謝を伝えましょう。
心を込めた供養は、新しい年を清らかに迎える大切な準備です。華やかな仏花や丁寧に選んだお供えで仏壇を飾り、家族とともにご先祖様を偲ぶ時間を持ちましょう。穏やかな新年を迎えるために、心を整えるひとときに。

Cleaning points

仏壇の大掃除のポイント

まず掃除をする際に柔らかい布やハケ、ブラシや歯ブラシ、専用のクロスなどをご用意していただけると細かいホコリ取りにも対応できます。

お仏壇

  • ほこりを払う

    ハケで仏壇全体のほこりを払います。細かい部分や隙間も丁寧に掃除していきます。欄間や扉などにある彫刻部分は繊細に彫られている場合もありますので、優しく掃除していきましょう。

  • 仏壇の拭き掃除

    柔らかい布で、お仏壇優しく拭きます。その際は乾拭きが基本です。傷つかないよう、力を入れすぎないよう注意しましょう。

  • 乾拭きで落とせない汚れは

    線香やろうそくの油煙など乾拭きだけでは落としきれない汚れは、仏壇専用のクリームやロウ取り専用のスプレーを使って優しく磨きます。
    市販の洗剤やアルコールを使うとお仏壇が変色してしまう事がありますので避けた方がいいです。

仏具

仏具は材質により掃除の仕方が変わります。

  • ガラスや陶器製

    基本的に普通の食器と同じように食器用洗剤で洗うことができます。洗った後はしっかりと水切りをして乾かしましょう。

  • 真鍮製

    真鍮専用の洗浄剤や研磨剤を使って磨き、乾いた柔らかい布で乾拭きします。

  • 色付き、メッキ加工された仏具

    洗剤などを使うと色やメッキが剥がれ落ちてしまう事がありますので、乾いた柔らかい布で優しく乾拭きします。
    金色の仏具はメッキ加工か真鍮製がアルミ製か一見すると判断が難しい場合もありますので、購入時に材質を調べた上でご購入されるか、既にお持ちの仏具で材質がわからない場合は仏具店などにご相談されるのがよいでしょう。

魂入れ(開眼供養)とは?

New year decorations

お正月のお仏壇には御霊供膳や鏡餅などで
豪華に飾りつけます

  • 打敷

    正月時にも法事と同様に荘厳具を使いお仏壇を飾り付けます。その際に使われる卓に飾る金欄の布のことを打敷と言います。 打敷は宗派により形が変わります。浄土真宗は逆三角形の打敷、その他の宗派は四角の打敷が使われます。

  • 五供

    お仏壇のお供えの基本として「五供(香・花・灯・浄水・飮食)」を普段からしますが、お正月は普段よりも少し豪華にされるのがよいでしょう。
    線香であれば普段より少し高価な物を使ったり、花を定番の菊に若松や若竹、梅、千両、南天、水仙、椿などを足すとよりお正月らしくなります。ろうそくは朱ろうそくや蒔絵をあしらった絵ろうそくを使うと華やかになります。
    お盆や法事の際にお供えする御霊供膳をお供えするのもよいでしょう。御霊供膳は、ご飯・香の物・和物・煮物・汁物の5つで構成されている精進料理の事です。

  • 鏡餅

    お正月につきものの鏡餅は重要なお供え物です。お仏壇の上段の左右に置いてお供えします。
    お餅は高月に折った半紙を引きお供えします。ただし浄土真宗では供花・供笥(くげ)を使いお供えします。

お正月のお仏壇には御霊供膳や鏡餅などで豪華に飾りつけます

Timing to decorate

飾り付けるタイミングは

  • 正月飾りはいつから飾るべき?

    お正月に向けて準備を始める時期として「正月事始め(しょうがつことはじめ)」という言葉があります。正月事始めは、地域によって異なりますが、一般的には12月13日から行うのが伝統的とされています。この日は「すす払い」といわれる掃除をして家を清め、年神様を迎える準備を始める日とされています。

  • しめ飾りを飾るタイミングは?

    しめ飾りは年神様をお迎えするための重要な正月飾りです。正月事始めである12月13日以降に飾るのが一般的ですが、12月29日と31日を避けることが大切です。
    12月29日:語呂合わせで「二重苦」とされ縁起が良くないとされています。
    12月31日:一夜飾りとなり、「準備不足」と見なされるため避けましょう。

飾り付けるタイミングは

大切なのは、気持ちを込めて仏壇の掃除と飾りつけを行い、ご先祖様への感謝の気持ちを伝えることです。こうした丁寧な準備が、新しい年の幸福を招く一助となります。