「仏壇と神棚を一緒の部屋に祀っても大丈夫?」
ご自宅に仏壇と神棚があるご家庭の方が気になるポイントですね。
それぞれが持つ意味は異なりますが、どちらも家族の幸せと安寧を願う、大切な祈りの象徴です。
現代では、マンションやコンパクトな住宅など、祀る場所に制約があることも少なくありません。
神棚と仏壇を同じ部屋に祀るに、守りたいポイントを解説していきます。
What’s the difference between a butsudan and a kamidana?
そもそも仏壇と神棚の違いはどんなもの
■お仏壇
ご本尊、ご先祖様をお祀りして、仏像や掛軸、お位牌を祀ります。
ご先祖様や故人を敬い、供養するために日々のお参りをします。
お線香、ロウソク、ご飯、水、花などをお供えします。
■神棚
神様をお祀りして、天照大御神様、氏神様、崇拝神社のお神札を祀ります。
神社に模して作られた神棚は家の中に神社があると考えられています。
神棚には米・塩・水、お酒などをお供えします。
Is it okay to place a butsudan and a kamidana in the same room?
仏壇と神棚を同じ部屋に設置しても大丈夫なの
仏壇と神棚を同じ部屋に設置しても問題はありません。仏間があれば仏壇はここに設置し、神棚は居間などに設置できればいいのですが、マンションや現代のご家庭では仏間のない家も増え、仏壇をリビングや居間に設置することが多くなり一緒の部屋に設置することが増えています。それでも、できれば少し離して設置するのがよいと言われます。
Key points for placement
安置場所のポイント
仏壇と神棚を同じ部屋に設置する際に気を付けるポイントがいくつかありますので、ご説明します。
■神棚は上に、仏壇は座って手の合わせやすい位置に
神様は上位であるので、神棚は人の目線より上に設置します。仏壇は座ってお参りすることが多いので低い位置に設置されます。
■向かい合わせはNG
向かい合わせにになると、どちらかにお参りをする際に、もう一方に対してお尻を向ける事になりとても失礼にあたりますので、「対立祀り」は避けましょう。
■上下に安置しない
神棚の真下に仏壇を設置するのは神様が仏様を踏む形になるので良くないとされます。 仏壇の下に神棚を設置するのもNGです。2階建ての家で神棚を1階に設置されて、その真上に仏壇を設置するのも神様に失礼にあたります。
これらをふまえて同じ壁面に安置する場合は、神棚を部屋の中心に近い場所に安置します。 向かって左側に神棚、右側に仏壇を安置します。お参りの順番は神棚が先で後に仏壇が良いとされています。
Location and direction for placement
安置する場所と方角
仏壇と神棚はそれぞれ、安置するのに適した場所と方角がありますので、これからご説明します。
■神棚の安置場所
明るく、清潔で、良い気が流れていかない場所、できるだけ高い場所とされています。 逆に不向きなのは暗くジメッとした場所、直射日光が当たる場所、トイレと背中合わせになる場所、障子やドアの上、お風呂場や水回りの近くなどは避けるようにしましょう。
■神棚の安置する方角
神棚の向きは太陽が昇る「東向き」と太陽が昇り光がよく入る「南向き」が良いとされます。ですので、神棚自体は北側か西側に設置します。
■仏壇の安置場所
お仏壇を安置する向きに関しては諸説があり、宗派によってもかわります。
- 仏南面北座説
お仏壇を「南向き」に設置します。お釈迦様が南に向いて座って説法したとされることから主に曹洞宗・臨済宗で説かれている説です。
- 東面西座説
浄土真宗・浄土宗・天台宗では、仏壇は東向きに安置するべきと説かれています。
- 本山中心説
総本山の方を向いてお参りするため、宗派の総本山がある方角に仏壇を設置すると真言宗では説いています。
- 春夏秋冬説
方角を季節になぞえて、どの方角に安置しても問題ないという説もあります。
各宗派により方角が決められていますが、絶対ではないようですので、こだわらないのであれば「東向き」か「南向き」に安置するながいいでしょう。